カンボジアに存在する小型武器

2005.02.02

a3ca9c0b.jpgカンボジアにはそもそもなぜ50万丁とも言われるほどの小型武器が存在するかというと、一言で言えばやはり長い内戦の爪痕ということになる。
30年もの間続いた内戦時代に使われていた武器が出回っており、民兵として戦闘に参加していた人たちが当時の武器をそのまま持っていたり、ポル・ポト派が各地に隠しておいた武器があったりする。
ある調査によれば、地域によっては3世帯から5世帯に1丁の割合で小型武器が存在するとも言われている。
ただ、小型武器問題の一つの特徴として、その存在数を正確に捉えることがほぼ不可能ということも付け加えておく。簡単に密輸されるし、麻薬なんかと絡んで一気に持ち込まれたりすることも少なくないから。
ちなみに、ここカンボジアに特に多いのはAK47という旧ソ連製のカラシニコフ自動小銃。
その最も大きな特徴はその操作の簡単なこととメンテナンスの簡単なこと。
重量も軽く子供でも簡単に使えるということで最近は子供兵の問題と絡めて議論されることも多い。
カンボジアにあるAK7の多くは冷戦時代に使われていたものが各地から流れ込み、それが内戦時代に使われていたと言われている。
何しろ構造が簡単なのでコピーも容易に作れるから、回収された武器を見ているとベトナムや中国製のもの、部品を組み合わせて自分で作ったようなものまである。
しかも壊れたカラシニコフが3丁あれば、殺傷能力が十分ある銃1丁作れるとも言われるほど。
製品としてみるならば、まさに画期的で、傑作といえる自動小銃なのだ。


こうやって小型武器が蔓延しているカンボジアだけど、JSACが回収したりしながらその数は少しずつ減ってきている。
ブラックマーケットでは3年ほど前はAK47も40ドルほどで買えたのが、今では60ドルから70ドルとも言われている。
その代わり、プノンペンなどの都市部では金持ちのドラ息子達がピストルを持つことも増えてきた。
これはギャングがらみでもあり、彼らにとっては一種のステータスのようなもので、とてもじゃないが我々には回収できない。
ここは武器法の整備や警察への本格的支援などを通して中長期的に解決していかなきゃいけない。
ずいぶん前だけどカンボジア人の友達に誘われてバレーをしに行ったら、対戦相手の一人が上半身はだかで短パンにピストルつっこんだまま試合に参加してて、結構ドキドキだった。
そいつ方向には誰もアタックできないだろ。つうか、着地したときとか暴発とかしないのかも非常に気になった。