日本初の包括的小型武器対策プログラム

2005.03.02

JSACが行っている小型武器対策のプログラムは、「カンボジアにおける平和構築と包括的小型武器対策プログラム」という名称である。
このプログラムは私が2001年4月に外務省から委託を受けて立案、提案したものであり、日本としては初めての小型武器に特化した直接的平和構築プロジェクトとなった。
日本人の顔の見える平和構築活動という意味で重要な意味を持つ。
このプログラムが目指すのはもちろんカンボジアにおける平和構築である。
小型武器問題に包括的総合的に取り組むことを通して平和を目指そう、というわけである。
このプログラムは以下の4つのプロジェクトから構成されている。
1.WDPプロジェクト
Weapons Reduction and Developmetn for Peaceプロジェクトの略。
簡単に言えば、住民が違法にもっている小型武器を回収して、そのコミュニティに開発を供与するというプロジェクト。
ただし、武器と開発を交換するわけではない。
警察をトレーニングして、治安の向上も目指す。
2.SSプロジェクト
Safe Storage and Registrationプロジェクトの略。
警察がもっている武器を安全に保管して、しっかりとコンピュータで管理できるように支援するプロジェクト。
3.小型武器破壊プロジェクト
回収した武器や警察で余剰と判断された武器を燃やして使えなくするプロジェクト。
4.意識向上プロジェクト
いろいろな方法で住民に小型武器の危険性や回収の必要を訴えるプロジェクト。
ただ単に小型武器を住民から回収したり、警察が持っている武器だけを適正に管理するだけでは総合的な小型武器対策にはならない。
特にWDPプロジェクトでは、小型武器を回収するだけでなく、開発を供与して「暴力の文化」から「平和の文化」への移行の下地を作り、警察をトレーニングして治安を向上させ住民が小型武器を持たなくてもいいと思えるコミュニティーを作る、などいろいろなアプローチをしている。
続く