小型武器破壊式典

2005.02.04

e12bc85e.gif2月3日(木)、JSACにとって5回目の小型武器破壊式典「Flame of Peace(平和の炎)」を開催した。
(写真は前回のもの)
タイ国境に近いバンテミンチェイ州において、内務省次官、州知事、州警察署長など蒼々たる来賓を迎え、1,422丁の小型武器が焼却処分された。
1999年から2004年までに、カンボジアでは14万丁以上の小型武器が破壊されてきた。
ポルポト派の武器もあれば、軍が余剰と判断した武器もあれば、住民から供出された武器もある。
今回の式典で焼却された武器はすべてバンテミンチェイ州の住民がJSACのプロジェクトを通して供出した武器という点で意義深い。
少なくともこれだけの数の武器が一般市民の周りにあったということ、そしてこの武器が物理的に焼却されてもう使い物にならないこと、この2点を住民に訴えるつもりのスピーチをしたが、今回の式典への参加者は子供がやたらに多く残念だった。
 


以前は戦車で武器を踏みつぶす、という方法で破壊してきたが、2001年からはもっぱら「平和の炎」方式になった。
戦車で踏みつぶすだけでは残った部品でまた簡単に武器を作れてしまうからだ。
細かい部品も熔かし、確実に使用不可能にするには焼却することが最も合理的なのだ。
また、戦車での踏みつぶしに比べて、「平和の炎」はその見た目の効果も高い。
住民が受ける心理的影響も大きい。
軽油をかけて点火するため、環境に悪いのではないかという批判をする向きもあるが、今のカンボジアにおいては武器焼却による安全面での効果、「暴力の文化」から「平和の文化」への移行を促進する効果、カンボジアは平和に向かっているんだという住民への心理的効果などの社会に対するよい効果の方が遙かに高いと考えている。
車の排気ガスが環境に悪いからと、車から受ける恩恵を無視して車禁止を訴えるような「環境問題」のとらえ方をしてはいけないのだ。
次回の式典はどこになるのか。
カンボジア政府とJSACは、「平和の炎」の式典自体が必要なくなる社会を目指している。