カンボジアに学校を! の危険

2008.05.25

最近、テレビでカンボジアに学校を建てる、というのを
やっています。
芸能人が描いた絵をオークションにかけ、その売上金で
学校建設をする、というものです。
ご存知の方も多いと思います。
カンボジアの事情をこの目で見てきた私は、実はこの企画が
気に入りません。
カンボジアには、学校に通えない子供も確かにいます。
ぼろぼろの学校に通っている子供たちもいる。
しかし、学校を建てればいいというものではありません。
例えば日本の草の根無償資金というODAをつかってあるNGO
が学校を建てる。
そのすぐ隣村に、また違うNGOが日本のODAで学校を建てる。
こんなことも実際によくありました。
日本や他国が建てた学校が、先生がいないからということで
使われなくなっているものも見てきました。
もし学校を建てるなら、教師や生徒の確保をしっかりしてほしい。
トイレなどの設備についても、文化の違いと衛生状況をバランス
よく考えて計画をしてほしい。
日本人は国内でも海外でも、ハコモノを建てるのが好きです。
ハコモノはわかりやすいですからね。
いいことをした感じになるんです。
我々も、ODA事業を行っているときは、どうしてもアウトプットを
目に見える形にしたいと考え、ハコモノ建設がまず頭を
よぎりました。
しかし、大切なのは本当にそのハコモノが使われるような
環境も同時に整えることではないでしょうか。
この番組では、5000万円以上が集まったそうです。
設備や広さにもよりますが、小さな学校なら200万もあれば
小さな村の学校なら十分きれいなものが建ちます。
さて、5000万円でどこにどういう学校をいくつ作り、それが果たして
いつごろまで使われて、(画面上ではなく)本当にカンボジアの人たちに
喜ばれるのか。
ぜひ番組制作者には、学校ができるまでではなく、3年5年10年と、
その学校がどうなっていったかをフォローしていただきたい。
私の心配が杞憂であればいいのですが。
さて、明日からバンコクに視察です。
朝6時25分に浜松駅からバスで中部国際空港へ。
就航促進のため、しっかり仕事をしてきます!
 
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