浜岡原発の行方

2007.05.29

浜岡原発に視察に行ってきました。
概要説明をしていただいた後、5号機を視察、そして耐震裕度向上工事の現場を視察し、研修センターを視察しました。
非常に密度の濃い、有意義な視察でした。
所長自らが案内してくれ、我々が次から次へと発する質問に、的確に、そして丁寧にお答えいただきました。
 


私が特に知りたかったのは、安全面について。
といっても、「原発自体が安全かどうか」などというギモンではありません。
東海大地震が心配されるこの地域にあって、これはなにも原発に関してだけではありませんが、災害との関連や、いざ災害が起こったときの対応策についてどのような対策が採られているのか、という点です。
そして、もうひとつ、テロ対策がどのようにとられているかを見てきたいと思っていました。
そうした観点から見た今回の視察でしたが、なかなか報道などでは知りえないところまで見てくることができたと思っています。
例えば耐震裕度向上工事が現在3号機・4号機・5号機で行われているわけですが、非常に入念な工事が行われています。
高さ100mの排気筒に制震機能を付加するためにオイルダンパーを取り付けた支柱を立ててるわけですが、その制震機能の基準は1,000ガルの地震動を想定しているそうです。
ガルとは、岩盤上における地震の揺れのことで、大体マグニチュード8.5で600ガルというもの。
1,000ガルを想定しているというのは、相当の数値ということがわかります。
もちろん、災害に対して、「絶対」ということはありません。
耐震裕度向上工事をすれば、危険性がまったくないのかというとそういう問題ではない。
リスクはなるべく減らし、全体の利益になることを追求していくために、何に対してどういう対策を採っていくかを考えるのが我々の責任です。
しかし、何より感銘を受けたのは、浜岡原発関係者皆様の積極的な情報公開への姿勢です。
隠すことなく情報を公開していくことで、原発に対する理解を深めてもらいたい、という気持ちの表れだと思いますが、ことはそう簡単ではなかったはずです。
原発などに関することは、情報をすべて公開すればそれが誤認され余計な不安をあおる結果が起こらないとは限らないため、情報公開を徹底することは決して簡単なことではありません。
しかし、先般の5号機ダンパーの羽の損傷などについても、実物を新聞記事などと共に展示し、一般の人も申し込めば視察できるようになっています。
その名も「過去に学ぶ回廊」
前向きな真摯な姿勢が伝わる、有意義な視察でした。
原発に対して不安をもっている方も少なくないと思います。
まずは皆さん、原発を訪れてみてください。
反対派の方は特に、ぜひ現場を視察して、日ごろ思っている疑問をどんどんぶつけてみたらいいと思います。
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