補足

2008.03.11

アルモニコスの秋山社長からコメントをいただいた、文化芸術大学についての今議会での知事の答弁について、また改めて述べさせていただきますが、少しだけ付け加えておきます。
この、公設民営の文芸大学を公立法人化する、という知事の発言についてですが、その理由を明らかにしていない点に大きな問題があると思います。
秋山さんのご指摘も、そこが一番のポイントではないかと考えます。
現在の経営状況に問題があるのか、公立法人化することによるアドバンテージは何なのか、明らかに説明不足です。
私もまだ調査不足です。
しっかりとみなさんに明らかにしていくことが大切だと思います。
ご指摘ありがとうございます。
詳細は後日に譲るとして、秋山さんのご指摘に1点だけ一般論として補足をしておきたいと思います。
◆確かに「なぜいまさら公立に?」と疑問を感じますが、官は悪で民は善、という前提で議論をすることは避けなくてはいけないと考えています。
つまり、官だろうが民だろうがどうすることが県の未来にとって有益か、全体にとって有益なのか、という視点で議論する必要があると思っています。
わかりやすく言えば、小泉元総理が声高に提唱した 「官から民へ」 という言葉には注意が必要だと思うわけです。
私はいわゆる官が陥りやすい非合理性や非効率性は、民の知恵や手法などを取り入れて、改善していくことが重要だと強く信じています。
基本的に、行政にすべてを任せると、無駄をどんどん生じ、非効率になって留まるところを知らないことは、歴史を見れば明らかです。
今の県の体質にも、一年いて少しずつわかってきましたが、旧態依然とした体質はまさに組織を守るという発想が染み付いているなぁとつくづく感じ、戦っているところです。
しかし、このキャッチフレーズは、
「民ならなんでも官より優れているんだ」
「民に任せておけば万事オッケー」
という風に誤解されることが少なくなく、官の更なる思考停止を招く危険性があるからです。
つまり、思考のすべてが民に任せるか否かになってしまい、それ以上の工夫やアイディアが出てこないわけです。
ですから私は、「民の技術や知恵を取り入れる」とか「民間の経営手法に学ぶ」というような言い方のほうがいいのではないかと思ってます。
さらに言うと、我々もこのキャッチフレーズによって一種の思考停止に陥ることがあります。
この言葉には反論ができないですから。
「官のほうがいいだろ」
なんて言う人(思う人)はいませんね。
だから、このキャッチフレーズで議論が停止してしまいます。
キャッチフレーズというのは一般的にそういう性質を持っていますが。
小泉元総理の卓越したレトリック・政治手法はここにも現れています。
でも、よく考えてみれば、民なら何でもいいというわけではないのは自明のことです。
老舗の賞味期限の偽証や、粉飾決済、時代の寵児ともてはやされた民間企業の「金儲けのなにが悪い」という発言、などなど
民に任せれば何でもオッケーということではないというところまで、議論が進まないことが不安です。
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取り急ぎ、秋山さんへのコメントに補足を付け足しておきました。
重ねて言いますが、私は行政が民間の知恵や手法を積極的に取り入れるべきだと思っています。
行政が抱えている権限や仕事を、アウトソーシングも含めてどんどんスリム化していくべきという考えです。
いずれにしてもこの件につき再確認し、静岡県のためにしっかりチェックしていきます。
 
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