北朝鮮、ミサイル発射に思ふ

2009.04.06

昨日午前11時半頃、北朝鮮が人工衛星の名目でミサイルを発射しました。

浜松祭りの会所開きにお邪魔しているときのことでした。

 

それぞれマスコミなどで報じられているので、経緯や結果などについては書きませんが、何点か気付いたこと感じたことを記しておきます。

 

◇今回の日本の対応

4日には、「ミサイル発射」との発表があり、Em-netで配信。その後誤探知であったと判明するというドタバタがありました。

情報収集体制、危機管理体制のお粗末さが露呈されましたが、私はなによりも、第一次の情報がアメリカの早期警戒システムに頼らざるを得ない現状に問題があると思っています。

情報の共有ももちろん大切なことですが、まずは自前で情報を収集分析できるインテリジェンスを日本はもつ必要があります。

その上でアメリカとの情報共有を図っていくべきです。

 

そして今回は、日本に落下する可能性もないということでミサイル防衛による破壊措置(いわゆる迎撃)はされませんでした。

MDによる破壊措置をしなくても良かったということは、我が国の安全から見ればよかったわけですが、それでも今後は技術的な点など、もっとMD自体の研究を進めていく必要があると思います。

いつでも防衛できる体制を整えておくことは、我が国の平和と国民の命を守る上でなによりも大切です。

 

◇北朝鮮の思惑

日本側から見れば、今回の北朝鮮によるミサイル発射は、可能な限り事前に阻止したかったということは間違いありません。

他国からも強く非難された今回のミサイル発射ですが、北朝鮮がそれでも踏み切った背景には、国連外交や六カ国協議の限界があると思えてなりません。

確かに国連安保理で非難決議を行ったとしても、北朝鮮があくまでも人工衛星だと言い張る限りは、特に中国ロシアは非難し切れません。

実際、北朝鮮は今回の件も、(軌道には何もないのに)人工衛星が無事に軌道に乗ったとか、その衛星から金正日をたたえるメッセージを地上に送っているなど、おかしな発表をしているとのことです。

 

こういう国を相手に、日本がどのように外交を展開していくのか。

これは本当に我が国が真剣に考えていかなくてはならない過大です。

しかも、北朝鮮はたくさんの日本人を拉致し、いまだにその被害にあわれた方たちを国内にとどめていて、それをも外交カードとして使ってくる国なのです。

 

対話で解決。

理想論としてそれはもちろん結構です。

しかし、現実問題として、それが国際社会において通用するかを考えなくてはなりません。

軍事力というのは、外交の裏づけにもなり、また世界の平和と安定のためのツールでもあるということから、平和ボケしてしまった日本は目を背けてはいけないのではないでしょうか。

 

◇今後の外交防衛問題

一部報道などでは、「今回のことをみんな騒ぎすぎ」などといっている向きもあります。

こういう考えが私は恐ろしいと思います。

日本の上空を長距離弾道ミサイルが飛ぶということ、成功すればそれは軍事目的に使用される可能性が高くなること、しかも発射する国は日本人を拉致する独裁国家であるということ、これらを考えれば騒ぎすぎということはまったく当てはまらないのではないでしょうか。

 

上述しましたが、日本にはまず自前で情報を収集し分析し活用できるインテリジェンス機能をしっかりと築くこと、そして国家と国民の安全を守る体制を常に整えておくことが必要です。

国際社会では、すべての国がわれわれと同じように考え行動するわけではなく、いろいろな考え、体制、やり方をもったアクターがいるわけで、彼らの中に入っていかに国益を損なわずに人類全体世界全体の幸福を作り上げていくかが、本当の意味での外交であると思っています。

 

先日屋山太郎先生から、1つの文はなるべく50文字以内に収めるのが良い、と教えていただいたばかりなのに、長いセンテンスを書いてしまいました。

 

 

人気ランキングに参加しています。

ワンクリックで応援お願いします!

【 おかげさまで現在ランキング上昇中です! 】