中国・北京での製造実習を終えて

2005.12.08

ずいぶん久しぶりの更新になった。
というのも、先月14日から今日まで、約一ヶ月間中国に製造実習に行っていたのだ。
これまでも海外に長くいた経験が多いとはいえ、やはり今回の帰国はまた喜びも一入だった。
北京・松下色彩顕像有限公司という、北京市と松下電器の合弁会社で、ディスプレイを製造するラインに入り、流れ作業の中でものづくりの現場を体験してきたわけだが、単純作業を繰り返すことはほんとに辛かった。


私が担当したのは、マスクというパーツを加熱するために炉に入れる仕事。
といっても、何がなんだかさっぱりわからないと思うけど、要するに左から来るパーツを右にある炉の入り口に並べていく。
毎日朝8時から4時まで、立ちっぱなしで左から右へを繰り返す。
大体一日5000枚くらいのマスクを炉に入れていく。
おかげさまで左にあるものを右に移動する動きは大分早くなったと思う。
この研修の目的は、中国を知る、ということと、ものづくりを知る、ということであった。
そのために長期間現地の農民工の人たちと一緒に仕事をさせてもらい、彼らが寝起きしている寮に寝泊りし、そこから学ぶというものだ。
確かに学ぶところは多くあった。
特に自分の目で見、自分の肌で感じられたことは、少なくとも自分の中国観に視野の幅を持たせてくれた。
しかし、もうひとつ重要なことは、今回の経験はほんの一ヶ月であったということだ。
中国の一部しか見ていないし、ものづくりにしても特定の会社の、しかも中国という特殊な環境におけるものしか見ていない。
何かを見て、そこからエッセンスを抽出し何が原理として存在しているかを考えることは非常に大切なことだけど、自分が目にしたものをすべてと思い込まないように気をつけていたい。