温暖化とCO2

2009.02.11

さて、引き続き地球温暖化について、赤祖父教授の講義について。

ポイントごとに記していきたいと思います。長くなりそうです。

ちなみに、私は学者でも専門家でもないので、独断するようなことは書きませんが、私がどういう講義を受け、何を感じたかを書いておくことにします。

 

■IPCCについて

そもそもIPCCとはどういうものなのか。

日本ではずいぶん「最高権威」のように扱われていますね。IPCCの報告が地球温暖化の主因は(mostly)CO2によるものとしているからそうに違いない!なんといってもノーベル賞もとったんだからね!と、信じきってしまっている日本人が多いですね。

IPCCが言ってる=正しいのだ  と。

 

世界最高峰の学者2500人を集めて、なんて説明が日本ではされていますが、実際に赤祖父先生の研究所の3人の研究者がIPCCに参加したそうですが、特に所長である赤祖父先生へ報告もなかった、その程度のことだそうです。(一方で日本では、IPCCのメンバーに加わったということで、ずいぶん地位が向上した学者もいるそうです・・・)

しかも、一般にIPCCの報告書といわれている"Summary for Policy Makers"も、IPCCに関係するすべての科学者が承認しているかのような印象を与えていますが、その研究者たちに承認の話も何もなかったそうです。

つまり、そういう機関だということを、日本人ももっと冷静に見てほしいとの事でした。

しかし、こういうことを言うと、赤祖父教授も「あなたはノーベル賞を取ったIPCCを否定するんですか?」と、まるで人でなしかのようにいわれ、議論にならないそうです。

冷静になってほしいですね。

 

■CO2の増加と温暖化について

現在の地球温暖化は、1800年ころから起きているものとのことです。

1400年〜1800年頃の小氷河期といわれる地球の寒冷期の回復期として温暖化しているのが現在のいわゆる「温暖化」の状態だそうです。

IPCCの2000年までの報告書では、所謂「ホッケースティック」と呼ばれる、小氷河期が欠落したグラフを使用していました(いわゆる、1940年ごろから急激に上を向いている、ホッケーのスティックのような形のグラフ)。

人類の活動によってCO2の排出量が増えたのは1946年以降で、つまり、そこから温暖化が進行しているわけではないということです。それよりもっと前から温暖化が直線的におきているのであれば、CO2を主因と考えるのは不自然である、という、きわめて自然な議論です。

しかも、IPCCは2000年以降も温暖化は進行すると予測していたのに、温暖化はとまってしまっています。このことを、IPCCもしっかりと認め説明をするべきだと教授はおっしゃっています。

 

ちなみに、IPCCは、この小氷河期を無視したホッケースティックのグラフを2007年の報告書からは使用しなくなったそうです。

ホッケースティック曲線では、近代小氷期も中世温暖期も明確ではなく、あたかも20世紀以前には気温の変動がほとんどなかったかのような印象を人々に与えたが、第四次報告書の政策決定者向け要約では、近代小氷期の存在を認める記述がなされている。(引用:http://www.teamrenzan.com/archives/writer/nagai/warming-abnormality.html

 

■オバマ新政権の戦略的温暖化対策

 興味深いのはオバマ新政権の温暖化対策についての赤祖父教授の考察です。

オバマ大統領は、温暖化問題は最大の課題のひとつと、他の政治家同様言っています。

しかし、オバマ大統領の発言を細かく分析すると、CO2の削減とは一言もいっていないことがわかるそうです。新任の担当長官は、「自動車の効率を上げることを目指す」と発言しました。つまり、アメリカが抱える赤字の大部分を占める石油の輸入を減らすことと、自動車産業でもエネルギー技術の革新で利益を上げることを目標としているのです。

これは面白い分析でした。

そして、当然のことながら、日本のようにIPCCの「温暖化はCO2が原因」という説を真に受けていないので、オバマ大統領もブッシュ前大統領と同様の、「インドや中国も取り組むべきで、それをしないならアメリカは取り組まない」という態度を打ち出すのではないか、とのことでした。

 

それでは日本はどうするのか。

 

後にも書くように、IPCCの「定説」に縛られず、もう一度温暖化問題、環境問題について研究をすることが一番です。

しかし、もしそれがかなわず、仮にIPCCの「権威」が日本で信じ続けられた場合、日本もオバマ政権のようにしたたかに、戦略的にこの論調を利用して、国益を追求する施策を考える必要があるかもしれません。

 

■コンピュータシミュレーションの限界

IPCCが使用しているコンピュータシミュレーションにも問題があると指摘しています。パラメーターに「炭酸ガスの排出が原因」という仮定をインプットしているため、結果が誘導されるとのことです。

 

 

■赤祖父教授の一番の論点

赤祖父教授は、なにもご自分の説が絶対的に正しく、他の説は受け付けない、というようなことをおっしゃっているわけではありませんでした。

先生の一番の趣旨は、政治問題化してしまっているこの問題を、もう一度学問の分野に戻すべきだ、ということです。先生のように炭酸ガス主因説に懐疑的な立場も、炭酸ガスが主因であると主張する立場も、しっかりと議論を進めていくべきではないか、とのことでした。

まさにそのとおりですね。

そして、日本人はもう少し地球温暖化問題について冷静に考えるべきだともおっしゃっていました。外から見ていて、これほど「国際的」なものに翻弄され、一人で一生懸命二酸化炭素排出規制に取り組もうとしている日本がかわいそうだとおっしゃっていました。

 

我々にとって大切な課題は何なのかを忘れてはいけませんね。

 

限りある資源をいかに大切に使い、未来の世代に受け継いでいくか。

エネルギーの自給率が非常に低い我が国が、いかにエネルギーを確保していくか。

これらのためには、新しいエネルギーの開発も含め、技術革新が鍵になります。 日本の得意分野でもあるはずです。

躍起になって炭酸ガス排出量を減らしたり、途上国から排出権を買ったりしてお茶を濁すのではなく、しっかりと前を向いていかなくてはいけません。

 

赤祖父教授もおっしゃるとおり、IPCCのSummaryが事実と反していることも含んでいるということを踏まえ、もう一度研究しなおす、ということが第一歩だと思います。

それでやはりCO2が原因で温暖化が起きており、このまま行くと壊滅的なことが起こるのであれば、各国が一致してそれこそ取り組んでいかなくてはなりません。

そのときには、京都議定書のように日本は負担が大きいのにフランスやドイツは負担が小さく、アメリカも批准せず、中国やインドは関係ない、こんな適当な枠組みでは何の役にも立ちません。

 

このブログでも、なかなか激しいリアクションをいただいております。

私はもちろん専門家ではないし、温暖化はないとか、IPCCがすべて間違ってるとか言っているわけでも何でもありません。

過激に温暖化を叫ぶ人たちにも、ぜひ冷静にこうした議論の存在も知り、ぜひ議論をしてほしいと思っているだけです。

 

「不都合な真実」がPG指定されている国もあるんです。

物事の本質を知るためには、冷静になっていろいろな議論に素直に耳を傾けることが何より大切ですね。

 

少しでも多くの方に読んでいただくために、ワンクリックで応援お願いします。


rankbanner.gif


【 おかげさまで現在ランキング上昇中です! 】