国会議員の質問する権利と公務員の負担を考える

2019.12.13

国会議員には質問権という権利が認められています。
国会の本会議や委員会で質問することはもちろん、実は会期中は紙ベースで質問することもでき、政府は閣議決定して7日以内に回答しなくてはいけない、と定められています。これを質問主意書といいます。

質問主意書を出す権利はとても大事でありがたいことなのですが、この主意書に対する回答を作成するのが官僚の皆さんの大きな負担になっているという指摘があります。

確かに、次々と出される質問主意書に、7日以内に答弁を作り、しかも閣議決定するために全省庁と調整しなくてはいけないとなると、これは大変です。
ちなみに、今年の秋の臨時国会では67日の会期で 186本の主意書 が出されています。

この質問主意書のあり方について、国会議員の質問権の重要性と国家公務員の負担を考慮しながら、やはり改善すべきところはあるんだろうなと思っています。

具体的には、二つの方向性があります。
ひとつは、手続きを簡素にすることで負担を減らすこと。具体的には、閣議決定ではなく、各省庁決済にすればだいぶ変わるのではないかと思います。「閣議決定されるから重みがあるのだ」という意見もありますが、普通の委員会での質問への答弁は閣議決定されていないわけですから、個人的にはそれで十分だと思います。

二つ目の方法は、質問主意書の中身を制限していくこと。毎国会でたくさん出される質問主意書の中には、以前と似たようなものがあったり、正直これを閣議で真面目に答えなくてはいけない質問なのか、というものもあります。なので、例えば各政党で議員が質問主意書を出すときに中身に加えて過去似たようなものがないかチェックしたりしてから提出する仕組みにするなど。こうすれば、トンデモ質問もなくなるのかもしれません。

ただ私は、前者の方がいいと思っています。
質問の内容を制限するのは、質問権の制限にもつながりかねないので慎重にすべきだと思います。
私は先の通常国会(会期6カ月)で質問主意書を14回提出しましたが、所属していない委員会の所管事項を質問したいときなどは本当にありがたいです。
でも、閣議決定してほしいとは思いません。所管省庁の見解を聞ければ十分ですし、もしかしたら閣議決定というハードルがあるから逆に玉虫色の答弁が多くなるというデメリットもあると思います。

いずれにしても、議員の質問権も官僚の皆さんの働く環境も大事です。
あり方を双方で考え直していくときなのではないかと思います。

それでは、また。



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源馬謙太郎
源馬謙太郎(げんまけんたろう)プロフィール
衆議院議員 静岡8区(国民民主党)。

1972年浜松市生まれ。成蹊大学卒、Centre College卒後、American Univ. 大学院にて国際平和と紛争解決学修士号取得。帰国後、小型武器問題専門家としてカンボジアでプロジェクトを立ち上げ12,000丁の武器を回収。
松下政経塾を経て後静岡県議会議員を2期務めた後衆議院総選挙に立候補。次点で惜敗。比例復活まであと270票の悔しさをバネに、2017年初当選(比例東海)