カンボジアへの選挙監視団派遣は踏みとどまったが、それでも状況は変わらない

2018.07.26

毎日暑い日が続きますね、こんにちは、衆議院議員の源馬謙太郎です。

さて、昨日報道されたカンボジア下院選挙監視団派遣中止をうけて。

選挙監視要員の派遣中止(共同通信)

今週末7月29日に行われるカンボジア王国下院選挙。選挙前にフン・セン政権が最大野党の党首を突然逮捕、同党を解党し、政権に異を唱えるメディアを多数廃刊や廃業に追い込むなど、言論弾圧、集会の禁止までされた状況下で行われるもので、民主化に著しく逆行するものです。

これに対しては国際社会は重大な懸念を表明し、各国が選挙支援を取りやめる中にもかかわらず、日本政府は8億円の税金でこの民主化に逆行する選挙に対して選挙支援を行ってきました。

これは、国際的にも我が国がこの選挙を公正で自由な民主的選挙と認めているというメッセージを発することになりかねず、私も今通常国会中外務委員会などで度々このカンボジアの状況を取り上げ、このような状況が続くのであれば支援を見直すべきだと大臣に要請してきました。

しかし、結局政府は選挙支援を断行し、さらには、選挙中の選挙監視団の派遣まで検討してきました。

報道の通り、昨日ようやく政府は選挙監視団の派遣中止を発表しました。
最悪の事態は免れたとホッとしましたが、対応が遅くなったことは否めません。

よく、カンボジアが中国寄りにならないように牽制するため仕方ないのだ、という論調を聞きますが、これは全く的外れな指摘です。
カンボジアの知人や関係者に話を聞いても、もはやカンボジアにとって中国の影響力は遙かに大きく、日本が今選挙支援しようがやめようが、中国よりになることに何ら変わりがない、ということです。
それよりも、いつも第三国に気を遣う外交を展開し、日本が本当に大切にする価値などをしっかりと伝えない外交は、国際社会では重きを置かれません。

我が国は公正で自由が保障された選挙と、民主化を大事にするのだ、それを守れないようなら支援は打ち切る、というメッセージを出すべきです。
いわなくてもわかってくれる、は、国際社会では通用しません。

いずれにしても、日本は民主的な価値観に基づく、価値外交を重要視し、様々な外交努力を重ねていくべきです。
監視要員は派遣しないことになりましたが、だからといってカンボジアの民主化逆行が止まるわけでもありません。

今後ともカンボジアの情勢を注視し、アジア地域で民主化逆行がすすまないよう、民主的発展に資する「適切な」支援とともに、我が国の価値観を主張していくべきだと考えています。

それでは、また。

源馬謙太郎
源馬謙太郎(げんまけんたろう)プロフィール
衆議院議員 静岡8区(国民民主党)。

1972年浜松市生まれ。成蹊大学卒、Centre College卒後、American Univ. 大学院にて国際平和と紛争解決学修士号取得。帰国後、小型武器問題専門家としてカンボジアでプロジェクトを立ち上げ12,000丁の武器を回収。
松下政経塾を経て後静岡県議会議員を2期務めた後衆議院総選挙に立候補。次点で惜敗。比例復活まであと270票の悔しさをバネに、2017年初当選(比例東海)



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