台湾の蔡英文総統宛てのメッセージが突然変更された件

2018.02.23

本日は衆議院予算委員会分科会にて、質問をする機会をいただきました。

しかし、政治に携わっていても国会にいない限りはこの「分科会」とか、仕組みがよくわかりませんよね。私もまだ一年通して経験していないので、わからないことだらけです。

今日の質問の機会も昨日言われて今日!

数ヶ月前から質問の準備ができていた県議時代とは全然違います。

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さて、今日の質問に先立って、朝9時半頃、先日政府に提出した質問主意書の答弁が戻ってきました(閣議決定されて)。

質問主意書の内容はこちら

当初はこれまでのお見舞いメッセージ同様、中身は被害を受けた方全般に対してのものであっても、タイトルは当該国の元首宛てになっていたのに(つまり蔡英文総統宛てになっていたのに)、中国外務省広報官から「総統という表現を使うべきでない」という申し入れがあった直後この「蔡英文総統」という文字が消えた問題。

明らかに内政干渉です。

1 「蔡英文総統」の宛名はいつ削除されたのか、その理由は何か。

2 削除の判断は誰によってなされたのか。

3 他国から削除の要請、または他国に配慮する意味合いはあったのか。

4 宛名を元に戻す予定はあるか。

を質問しましたが、答弁書を見て唖然。

こんな答弁書でした。

 

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「被災された台湾の方々に対してより広くお見舞いのメッセージを伝達することが適当と判断し」

とありますが、安倍政権の平成25年から今日まで出された同様のお見舞いメッセージは全部で44件ありますが、そのうち1件以外はすべて相手国の元首宛てになっています(この1件はテロで亡くなった個人への哀悼メッセージ)。

そうなると、そのほかのすべてのお見舞いメッセージは「被災された方に対してより広くお見舞のメッセージ」を込めていなかったということなのでしょうか。

この点を、今日の分科会で質しましたが、「その時々で判断する」という答えのみ。

中国外務省から遺憾の申し入れがあったことは事実か質しましたが、それは事実だとのこと。ただし、それにどう反応したかは「答弁を控えさせていただく」と。

非常に不可解な今回の「蔡英文総統」の文言の削除ですが、最後に河野大臣に「日本政府は蔡英文氏を台湾の総統と捉えているのか」と問い質しましたが、「日本政府の立場は変えておりません」との答弁のみでした。

今回の質問主意書および質疑でも要領が得られなかったので、再度質問主意書を準備中です。

勇ましいことを言う前に、他国に言われてメッセージを変えてしまうという不甲斐なさを無くすべきだと思います。

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質問前半で取り上げたカンボジアについては、また別記事にてご報告します。

それでは、また。

源馬謙太郎
源馬謙太郎(げんまけんたろう)プロフィール
希望の党衆議院議員・元静岡県議会議員(2期)。
1972年浜松市生まれ。成蹊大学卒、Centre College卒後、American Univ. 大学院にて国際平和と紛争解決学修士号取得。帰国後、小型武器問題専門家としてカンボジアでプロジェクトを立ち上げ12,000丁の武器を回収。

松下政経塾を経て後静岡県議会議員を2期務めた後衆議院総選挙に立候補。次点で惜敗。比例復活まであと270票の悔しさをバネに、2017年衆議院総選挙で初当選(比例東海)。