瀬戸際を迎えた新型コロナウイルス対策

2020.02.27

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2月24日に、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身座長が、”1~2週間くらいがクリティカルで、感染があっという間にどんどん拡大してしまうのか、その感染拡大のスピードをある程度抑制できるのか、瀬戸際にある”と非常に強い言葉で警戒感を表明しました(「今後1,2週間が瀬戸際」FNN Prime)。


 

対応の遅れ


初動対応の遅れや、後手後手の対応、我が国だけ進まない検査の状況などの影響が深刻になり、もはや水際対策では防ぎきれずウイルスが国内で蔓延するリスクに向き合う事態になりました。

特にダイヤモンド・プリンセス号の乗客をずさんな環境で隔離した結果感染が広がり、複数の方が命を落とし、陰性の方も2週間隔離した後、20名以上再検査をせずに下船させ、さらに陰性と診断され公共交通機関を使って帰宅した方が後に陽性となったケースもありました。

我が国ではPCR検査が6,000件ほどしか行われておらず、その結果の今の感染者数の発表ですから、控えめにみてももうすでにたくさんの感染者がいるとみるのが妥当だと思います。

ちなみに韓国は中国に次いで感染者が多いと報道されていますが、2万件以上のPCR検査の結果です。

 

足りない政府の基本方針


政府が2月25日に発表した「基本方針」は、我々野党もこれまで政府に対して申し入れや提言を随時行ってきましたので、それらが取り入れられるものになると期待していましたが、中身は残念ながらお粗末なものでした。

イベントの中止や企業の時差通勤、学校の対応なども全て地域や民間任せの丸投げで、これではどう対応すべきかわかりません。

 

今、必要な対策を


私は、以下のような点で危機管理体制を国が主導して行うべきだと考えています。

・医療従事者や隔離された個人への補償などを含めた隔離や補償の措置

・情報提供の徹底

・PCR検査対象の拡大やマスクや消毒剤の確保

この他にも、イベントや集会の中止のルールと補てん措置や公共交通機関の満員状況の緩和なども緊急措置が必要なことが少なくありません。

どのような対応や法整備ができるか、仲間と急ぎ研究しています。

 

ちなみに台湾や韓国では、政府のイニシアティブですでに特別法を立法し、対応策が取られています。

日本政府は残念ながら遅い。

台湾では、医療関係者への補償や、影響を受けた企業への補助、隔離によって損害を受けた個人の補償とともに隔離や外出禁止を守らなかったものへの罰則などを定めています。

韓国も罰則の他、マスクや諸毒剤の不足の場合の輸出制限など。

 

実は日本でも、新型インフルエンザ等対策特別措置法という法律が平成24年にできており、様々な緊急対策が取れるようになっています。この法律を今回の新型コロナウイルスにも適用すべきだと我々は政府に迫っていますが、政府はこの法律の適用を認めません。理由は「この新型コロナウイルスはウイルスの形状などもわかっているため、不明なウイルスではなくこの法律の適用外だから」というもの。

おそらく、この法律を適用してしまうとPCR検査をもっと拡大して行わないといけなくなるので適応に後ろ向きなのだと思います。

 

このように、様々な点で対策が遅れている中での「瀬戸際」です。

ここをどう乗り切るかが、東京オリンピックの予定通りの開催などにも繋がります。

私達も政府に任せているだけでは後手後手の対応にならざるを得ないので、政府に発破をかけて対策を取らせるために、しっかり議論してまいります。

 

それでは、また。

 

 

源馬謙太郎
源馬謙太郎(げんまけんたろう)プロフィール
衆議院議員 静岡8区(国民民主党)。 1972年浜松市生まれ。成蹊大学卒、Centre College卒後、American Univ. 大学院にて国際平和と紛争解決学修士号取得。帰国後、小型武器問題専門家としてカンボジアでプロジェクトを立ち上げ12,000丁の武器を回収。 松下政経塾を経て後静岡県議会議員を2期務めた後衆議院総選挙に立候補。次点で惜敗。比例復活まであと270票の悔しさをバネに、2017年初当選(比例東海)





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