北朝鮮が核実験したけど

2006.10.10

10月9日、北朝鮮が核実験に踏み切った。
メディアでも再三取り上げられているが、なんで今のタイミングなのだろうか。
ハッタリ外交や瀬戸際外交にしては、北朝鮮がとるリスクが大きすぎる。
アメリカや日本の反発は織り込み済みとしても、中国や韓国の面子を大きくつぶす格好になってしまったのではないだろうか。
とりわけ、面子を重んじる中国のこれからの出方が気になるところだ。
日本も本格的に安全保障を考える必要がある。
もうすでにだいぶ後れを取ってしまっているが。
日本の外交や安全保障の問題点のひとつは、何かが起こってからあわてて対処することだ。


自衛隊の海外派遣だって、今でこそ多くの国民に受け入れられているが、湾岸戦争があって、911があって、徐々に徐々に国際世論や国内世論にあわせるようにして修正されてきた。
日本の安全を自ら守るという簡単で当たり前のことが、安全保障に関する大枠としてのコンセンサスとして成り立っていないからだと思う。
国家・国民を守ることが国益であるということを、政党を超えたコンセンサスとして認識する土壌が必要である。
例えばアメリカでもイラク戦争に踏み切る際、国家としてテロに屈しない、などの大枠でのコンセンサスは出来上がっていた。
共和党も民主党もである。
その上で、個別の政策に関して議論していくのが民主主義のあるべき姿である。
日本の周辺は、安全とはいえない状況になりつつある。
いつまでも非武装中立のような現実離れした幻想を持ち続けるべきではない。
もちろん、日本がこれまで貫いてきた平和主義はすばらしいものだし、今後も平和国家としてのスタンスは大事にすべきだと思うが、本当の意味で平和国家でいるためには自らを守るということも大切だと早く気づくべきではないだろうか。