お産で命を落とす確率は?

2008.07.07

みなさん、こんにちは。
今日は七夕ですね。
しかし、あいにくの空模様で、天の川は期待できそうにありません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、昨日は舘山寺で私が住む長上地区の夏季研修会が行われました。
浜松医療センター(正式名称は「県西部浜松医療センター」)の小林隆夫院長に
よる「よりよい医療のために」と題した講演。
かなり興味深かったです。
医療センターは、全国でも珍しい、開業医たちが自分たちが高度な医療を行える
場所を作り、地域医療を担っていこうという目的で作られた病院。
当初は静岡県の西部を全部任せてくれ!
という意気込みだったということが、名称にも現れています。
小林院長は産科医からは初めての院長ということで、ご経験に基づいた
お話もいろいろと聞かせていただきましたが、特にお産の危険性について
のデータは興味深かった。
日本ではほぼ7割の方が“正常”に出産しているそうです。
“正常”というのは、自然分娩で特に問題なく、ということだそうです。
お産は命の危険を伴う、という認識があるけれど、実際日本でお産で命を
落とされる方は20,000件に1件だそうです。
 
一方、世界平均はどのくらいだと思いますか?
 
なんと、250件に1件 だそうです!
これ、日本の1900年のころと同水準だそうです。
もちろん、「世界平均」ですので、この数値は先進諸国からみればかなり
低いです(アフガニスタンでは50件に1件は亡くなってしまうそうです)が、
それを差し引いてみても、日本の医療技術は世界最高水準ということがよく
わかります。
 
しかし、この少ないリスクではあっても、訴訟に発展したりすることが最近多い
ため、産科医不足に拍車がかかっている、と嘆いていらっしゃいました。
 
もちろん、医療ミスや人為的なミスで人命を損ねることがあってはいけません。
しかし、医療にあまりに厳しく求めるのはどうでしょうか?
我々医療を受ける側も、医療の限界も理解しておく必要があるんだと思います。
医者も医療も、人間の英知を傾けて少しずつ技術が上がってきたもので、自ずと
完璧ではありません。
なにか、日本人の医療に対する目というのは「治して当然」的に思えます。
 
そんなことを考えさせられた研修会でしたが、どうしても気になることがあったので
講演終了後、小林先生に疑問をぶつけてみました。
 
この医療センターの制度は日本では新しく、開業医の方にとっては魅力的な
システムだとは思うが、医師の開業医志向を助長し医師不足を促進させて
しまわないか?
 
あまり時間がなく、しっかりとお答えを聞けませんでしたが、そういう側面も
否定できないが、それ以上の効果を期待できる、という感じでした。
今度またアポをとらせていただいた上で、詳しくお話を伺うことにしました。
 
 
さらにこの医療センターは、近くバースセンターを導入します。
助産師さんを中心にしたこれも全国でも新しい取り組み。
期待大です!
 
人気ブログランキングに参加しています。
 一日一回  ワンクリック お願いします!
【 おかげさまで現在ランキング上昇中です! 】