堀本崇先輩を偲ぶ会

2006.12.23

昨日茅ヶ崎の松下政経塾において、13期生の堀本崇先輩を偲ぶ会が行なわれた。
堀本先輩はカンボジアで子供を支援する活動に従事されていて、先月カンボジアで活動中に交通事故で亡くなられた。
政経塾出身者が亡くなるのは初めてのこと。
偲ぶ会には、塾関係者やNGO関係者をはじめ、200名近くの方が参列した。
実際にお会いできないまま、先輩がどういう活動をされていたのかもあまりしらなかったが、同じカンボジアで活動されていた先輩の会にぜひ出席させていただきたいと思い、少し運営のお手伝いをさせていただいた。
偲ぶ会では堀本先輩がどのように志を立て、我々後輩塾生と同じように悩んだ軌跡も紹介され、そしてどのように活動されていたかが紹介された。
正直、衝撃を受けた。
私はこれまで外交分野、特に援助の最前線で活動し、いろいろな援助関係者とも話をしてきたつもりだ。
しかし、これだけ深く志に根を下ろし活動している人を私は知らない。
「ユニセフのCMの、ハエがたかる子供の痩せてしまった顔を見て、何とかしなきゃいけないと思う自分がいる。
しかし、そのCMが終わり、一晩寝ると自分の中からその子供はすっかりいなくなってしまっている。
そしてまた同じCMを見ると、何とかしなくては、と思う・・・
そんな自分に気づき、なんと偽善的であったかと恥ずかしく思った。」
という、先輩の言葉が紹介された。
ほんとに、そのとおりである。
偽善や“自己実現”のための援助活動はまっぴらだ。
そして堀本先輩は、カンボジアの人の心には、宗教が大きくかかわっていると知り、僧侶にまでなった人だ。
私が行ってきた平和構築活動はもちろんまったく違うアプローチであり、先輩の活動にも私の立場からいろいろと疑問もあるし、異論もある。
しかし、果たして私は僧侶になろうとまで考えられたであろうか。
恥ずかしながら、思いもよらなかった。
子供たちが明るく生きていける未来があることが大切である。
これは私も先輩も共通して持っている問題意識だ。
先輩はそのためにカンボジアで孤児を支援する活動を選ばれた。
私はそのために日本で政治の現場から活動することを選んだ。
選んだ道に違いはあるが、しっかりと先輩の遺志を引き継いでいきたい。
政経塾の一後輩として。
そして、カンボジアを愛しカンボジアで活動してきた人間として。