たとえ22万円でも、悪いものは悪い

2011.10.07

静岡県議会9月議会も委員会審議に入りました。

議会は大体、本会議で各会派の代表質問、一般質問などが行われ、続いて各議案の内容をこれでいいかどうか細かく委員会で審議します。
たとえば、教育に関することは文教委員会で、産業に関することは産業委員会で、観光に関することは文化観光委員会で、という具合です。

私は産業委員会の副委員長を務めているため、本来業務は委員会審議の進行役ですが、どうしても質問したいことがあったので最終日に質問させていただきました。

中身は県の雇用のミスマッチ解消策について。

雇用のミスマッチとは、簡単に言えば就職を求める学生をはじめとする求職者と、求人したい企業側のニーズがあっていないということで、これを解消しようという施策です。

これはこれでいいんです。
理念もこれでいい。

しかし、その内容の説明を受けて私はびっくりしました。

曰く、今回は新たな取り組みとして県内企業の魅力発見事業として、求職者の保護者を集め、彼らに企業がプレゼンをするんだとのこと!


一体県は何を考えているのかと問いただしました。

先日の議案説明の際にもこんな内容の説明はなかったので、徹底的に反対と意見を述べましたが、当局はどうしてもことしやりたいと。
現場からそういう声が上がっているんだと。

しかし、なんで税金を使って保護者に会社がプレゼンをしなくてはいけないんですか?就職するのは、就職したいのは子供本人でしょう?
行政がそんな過保護な若者を作るような施策を行ってはいけないんです。
保護者が説明を受けたことで就職した若者は、やがて退職し、自分で決めんたんじゃないからと言い訳し、またお父さんお母さんに再就職のお手伝いをしてもらう。

こんな若者を育ててはいけないのです。


私の他にも、ほとんど全ての議員が私の意見に賛同してくれました。

しかし、これをもって、そのほかの補正予算全体に反対することはできない。
そこで先輩議員にも相談をし、また委員長にも相談しました。

できれば「保護者云々については一年後にしっかり効果とデメリットを検証して見直すこと」という付帯決議にしたいと思いましたが、結果的には採決の前に私がその旨意見を陳述し、本会議でもその旨取り上げるということになりました。


担当部長も同じ思いだと思いますので、これはこれで了とします。


しかし、ほかの方にも言われました。

実はこの説明会の予算は22万円。
補正予算の中でみれば、誤解を恐れずに言えば少額の予算です。
君はたったそれだけの少額の予算に、それだけこだわる必要があるの?といわれました。

私もそれはもちろん考えましたが、こうしたことは放っておいたらダメになる。
少額でも、こういうことに行政が手を出したら絶対ダメだと、信念を持って無理をお願いしました。


ただ、技術的な反省点として、もっと事前からこの情報をキャッチし、議案説明の時点で訂正させておくべきだったとも言われ、確かにそうだったのかもしれません。

ここは議会人として学んでいかなくてはいけませんね。

それにしても、行政が過保護に過保護になっていくこの現状を、しっかり変えていかなくてはいけません。


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